おにいちゃんは、「美」だけでなく、 「女の人のしぐさ」にもうるさい人です。

話す相手がいないのか知りませんけど、しょっちゅう リコをつかまえては
「女の人のしぐさというのはね」と語ってくるので いい迷惑です。

リコだけその恩恵に預かるのもしのびないので
せっかくだから、ここにおにいちゃん語録を再現しようと思います。
まあ、 話の半分はたわごと ですけど。

この間は、リコをつかまえるなり、
女の人の 「見たくないしぐさ」 について語ってきました。

「やっぱりね、しぐさっていうのはその人の内面がでるんだよね。 　
だから、ひとつひとつのしぐさが美しい人は、 美しい心の持ち主だと思うし、
目を覆うようなしぐさをする人は、 やっぱり内面もそうだと思うんだよね。 　

つまり、内面を美しくしない限りは、 　
どんなにおしゃれしたってどんなに上手な化粧をしたって、 　
本当に美しい女性にはなれないってことだよね」

話の流れも導入も全く関係なくいきなり語りはじめるのは
おにいちゃんの悪いくせです。

おそらくおにいちゃんの頭の中には、
その前の段階のストーリーがあるんでしょうけど、
それを知らされず、 いきなり「やっぱりね」と言われても
聞く側としては非常に困ります。

長嶋茂雄さんが監督になったときに、 キャンプの第一声で
「さあ、おはよう」と挨拶してナインをずっこけさせたのをちょっと思い出しました。

おにいちゃんの話が続きます。

「この間ね、車に乗ってて、たまたま信号待ちのときに 　
ふとルームミラーで後ろの車をみたんだよ。
　
そしたらさあ、後ろの車の女の人が鼻をほじっているんだよ。

あれには幻滅したよ。 　
あれは、自らを鼻くそのような存在と言ってるようなものだよぉぉぉ！」

おにいちゃん、いきなり炎上です。
そりゃ、たしかに後ろの車の女の人は みっともない気がしますけど、
それをさして 「鼻くそのような存在」 はないと思います。

おにいちゃんの話は
シャレで言っているのか 心の底から言っているのかわからないことがよくあります。

いずれにせよヒートアップしながら言うので
聞く側としては、リアクションに困ることがしょっちゅうです。

ちなみに、リコの友達で、自分の車に
ほじったものをダッシュボードの下に貼り付けている子がいましたけど
それを言うと、またおにいちゃんが炎上して
長々と話を聞かされそうなので やめておきました。

さらにおにいちゃんの話は続きます。

「それからさあ、俺、電車に乗ってるときに 鼻毛を手入れをしてる女の人みたことあるんだよ。 　
ふつうそんなことするか？俺びっくりしてさあ。 　

・・・そうそう、ところで、男の人で鼻毛が出ている人って 　
わりかし多いけど、女の人で鼻毛が出ている人って 　
あまりみないと思わない？その理由って何か知ってる？」

おにいちゃんのグチを聞かされているかと思いきや、
いきなりリコに謎かけをしてきました。

女の人で鼻毛が出ている人があまりいない理由？？
知りません。

「実はね、男の人の鼻毛は外に外にと伸びるんだけど、 　
女の人の鼻毛は中へ中へと伸びるんだよ。 　

だから男の人の鼻毛は鼻の穴の外へ出てくるんだ。 　
でも、女の人の鼻毛は鼻の穴の奥の方にむかって伸びるから、 　
出てこないんだよな。 　
つまりね、本当は女の人だって鼻毛がぼうぼうなんだよ」

知りませんでした。
本当なんでしょうか、この話。

そんなリコを置き去りにしておにいちゃんは続けます。

「まあ、車の話が出たついでに言っておくと、 　
車を運転してて、先に入れてあげたのに、 　
挨拶も何もせずに行ってしまう女の人もよろしくない！ 　

挨拶しなきゃいけない決まりがあるわけじゃないけど、 　
そこでニコッとでもしてみい！ 　
入れてあげた方の俺は幸せな気分になるがな。 　
で、その女の人だって先に入れてもらってるんだからハッピーやんけ！

つまり美しい仕草ひとつで、 みんなハッピーになるってことですわ。 　
美しい仕草は美しいストーリーを生み出すんや！」

おにいちゃんの口調に うさんくさい関西弁 が入り始めました。
おそらく、この間ビデオレンタルで借りてみていた
「いなかっぺ大将」の西一（にしはじめ）の影響かと思います。

まあ、先に入れてもらうことから 美しいストーリーが生まれるかどうかは別として、
入れてもらった方は軽くおじぎするぐらいは必要かと思います。

「あと、これは細かいことかもしれないけど、 　
足早にトイレに入っていった女の人が 　
出てくるときはゆるやかな足取りになっているのはいただけない！ 　

基本的に、女の人の美しさの中には、 　
昔のアイドルのように『用はたさない』っていう幻想もあるべきだと思うんだよね。 　
だからいくらガマンしてトイレに向かったとしても、
『あ、きっと化粧直しに行くんだろうな』と万人に思わせるようなしぐさで向かうべきだと思う。 　 　

それを足早にトイレに行って、ゆるやかな足取りででてきたら
　 『あ〜すっきりしたあ』って丸出しだよ！」

おにいちゃん、細かすぎです。
というか、 そんなところまで観察するな、この野郎。

「あとはね」

まだあるんですか。

おにいちゃん、話長いです。

「免許証の写真をみせてくれない女の人が多いのは解せない！ 　
だって、免許証って、身分証明書じゃん。自分の証なんだよ。 　

自分という人間の存在を証明するものなんだから、 　
本来誇示すべきものだと俺は思う。 　

なのに、みんな『免許の写真はイヤ』だとかさあ。 　
しぐさとは関係ないんだけど」

ただでさえ話が長いのに、しぐさと関係ない話までしないで下さい。
免許の写真を人に見せるのは ふつうにイヤだと思います。

「それと似たようなケースで女の人の手帳！ 　
やたら手帳を開くわりに、こっちがのぞきこもうとすると 　
『みないで』って何よ！？じゃあ、最初っから開くなよ！」

おにいちゃんにみせるために開いたんじゃないと思いますけど。

・・・とまあ、こんな話をいつも長々と聞かされるリコは たまったものではありません。

女の人のしぐさを語りだすとやたらムキになるおにいちゃん語録でした。

おにいちゃんをみていると、人間、あまりにもてなさすぎると、
このように妄想でモノをいうようになるのかといい勉強になります。