おにいちゃんは、 「美」にうるさい人 です。

話す相手がいないのか知りませんけど、
しょっちゅう リコをつかまえては 「美しさっていうのはね」と語ってくるのでいい迷惑です。

リコだけその恩恵に預かるのもしのびないので
せっかくだから、ここにおにいちゃん語録を再現しようと思います。
話の半分はたわごと ですけど。

この間は、人前で化粧をする女の人について語ってきました。

「最近、前にもまして、 人前で化粧をしている女の人をよくみるんだけど、
あの感覚が俺にはわからないんだよね。
化粧って自分をキレイにみせるためにするものでしょ？
人前で化粧をしている女の人たちは そこの部分でひとつ大きな間違いを犯してるんだよ」

おにいちゃんは語るときにいつもこのように 謎かけ をしてきます。
図書館で借りてきた 話し方入門で学んだテクニックみたい です。

でも、謎を投げかけておきながら、
相手に考える間を与えずに たたみかけてくるので、
あんまりこのテクニックは意味がない気がします。

この謎かけに対する解答はこうでした。

「実は、女の人ってのは、 　ファンデーションやらなんやらの化粧品で
キレイになるんじゃなくて、 　化粧をするという『行為』でキレイになるんだよ」
なかなか難しいことを言います。

「化粧ってのはね、人に見えないところでするからこそいいんだよ。 　
昔はね、夫婦の間で、なんで毎朝奥さんの方が
早く起きてたかって言うと、 　もともとは化粧をするためだったんだよね。 　
早起きして化粧をして、キレイになった自分で
愛する人との１日を始めたいっていう願望が、 　
昔の女の人たちの中にはあったんだよ。 　

けなげだと思わない？ 　 　
つまり、これが美しさなんだよ。 　

化粧の出来ばえじゃなくてさ。 　

そういう行為に人は感動して 、その裏の苦労を想像して、
その女性をけなげだなって思う。 愛しいなって思う。
そう思わせる行為こそが美しさなんだよ」

おにいちゃんがだんだんと熱くなってきました。

「今って、そういうのってある？
彼氏の前で平気で化粧する子もいたりなんかしてさあ、
それって、誰のためにキレイにしようとしてるのかって話だよ。

はっきり言って、今の化粧は『自分』個人のためだよね。
自分さえキレイになれれば、まわりは関係ないっていう。
つまり、そこに他人がいないんだよ。 　

だから彼女たちには人前という感覚自体がない！

見てくれだけじゃ、俺の心はゆさぶられないし 　何よりも深みを感じない！
深みってのは見えないところの努力であったり 　苦労であるわけよ。
決して見返りを求めるわけではなく 、続いていくその行為が美しいんだよ。

いわば見返りを求めぬ愛こそが真実の愛だよな！
うん、そういうのに大和撫子を感じる男性は多いと思う！」

長くなってしまいました。熱くなるとひとりでまくしたてて
ひとりで興奮してしまうは おにいちゃんの悪いくせ です。

昔の奥さんの話は、ほんとかどうかわかりませんけど
もっともらしい言い方をされると、なんだかそんなような気もしてきます。

「見返りを求めぬ愛こそが真実の愛」という言葉は、
一見よく聞こえますけど、
実はおにいちゃんの愛読書の 「タイガーマスク」が言ったセリフをパクッている
だけで、 たぶん あんまり意味がわからず使っている と思います。

そもそも恋愛経験の乏しいおにいちゃんが 愛など語れるわけがありません。
ちなみにおにいちゃんの尊敬する人は梶原一騎先生です。

おにいちゃんの話も締めに入ります。
「だからね、化粧は見えないところでするものなんだよ。 　
見えるところでいくら化粧を一生懸命やってても美しくないから！ 　

女の人の見えないところの苦労と努力を想像して
そこにけなげさと愛しさを感じるのが男なんだよ！

少なくとも俺は女の子をみるとき、そこまで想像してみてるから！」

さすが、おにいちゃんは、普段女の子をみるたびに
どんな下着をしてるか想像している だけあって説得力のある言葉です。

「〜というのが男なんだよ！」と「少なくとも俺はそうだ」の間の
スケールの差がかなり気になりますけど。
現実をあまり見ずに頭の中で 勝手に世間をつくりあげるのもおにいちゃんの悪いくせです。

普段からネット買ったでえっちなＤＶＤばかりみているので
妄想するのががくせになってるかもしれません。

常々、こんな話を聞かされるリコはたまったものではありません。
美を語りだすとやたらムキになるおにいちゃん語録でした。